ルビー

目次

ルビーとは鉱物である コランダム(Al₂O₃)のうち、赤色を呈するものを指します。

コランダムは本来無色の鉱物ですが、微量元素の影響によってさまざまな色に発色します。 その中で、クロム(Cr)によって赤く発色したものがルビーと呼ばれます。 また、赤色以外のコランダムはすべてサファイアに分類されます。

ルビーの名前の由来

ルビーという名称は、ラテン語で「赤」を意味する「ruber」に由来するとされています。

また、インドではルビーはラトナラージャ(Ratnaraj)と呼ばれ、「宝石の王」を意味する特別な存在として古くから珍重されてきました。

ルビーの特徴
原産地ミャンマー、モザンビーク、タイ、ベトナム、マダガスカル ほか
鉱物コランダム(Al₂O₃)
硬度9
屈折率1.762 – 1.770
比重4.00(±0.05)
その他7月の誕生石

7月の誕生石として制定

近年追加されたスフェーンと同様に、7月の誕生石として定められています。また、ルビーは結婚40周年に送られる宝石となっています。

ルビーの美しさと色調

ルビーはピンク色に見えるものからダークなレッドまで、様々な色調があります。

理想とされるのは
鮮やかで深みがあり、限りなく混じりけのない赤色です。

特に評価が高いのが「ピジョンブラッド(鳩の血)」と呼ばれる色調で、
・彩度が高く
・暗さを感じない
・端正なプロポーションによって生まれるモザイク模様
これらが絶妙に調和しています。


さらにルビーは、クロムによる蛍光性を持つため、
光の下で内側から発光するような独特の輝きを見せます。
これも他の赤い宝石にはない魅力です。

一般的に蛍光感はピンキッシュなルビーの方が強いため、人それぞれの好みで選んでいただくのが良い選択となるでしょう。





ジュエリーとしての存在感

ジュエリー着用画像

ルビーはサイズ以上に存在感を放つ宝石です。

その理由は高い彩度と内側から発光するような輝き、赤という色の心理的インパクトにあります。

特にダイヤモンドとの組み合わせでは無色の輝きと赤のコントラストが際立ち、
とても完成度の高いジュエリーとなります。

また、プラチナやイエローゴールドと相性が良く、
クラシックからモダンまで幅広いデザインに映える点も特徴です。

華やかさが際立つイエローゴールドとルビーの組み合わせ

代表的な産地

ルビーはアジアとアフリカを中心に様々な産出地がありますが、そのなかでも重要で代表的な3つの産地をご紹介いたします。

・ミャンマー
 古来より最も評価が高く、ピジョンブラッドカラーのルビーを産出する地として名高い国です。
 上質なものは柔らかさと強い蛍光を併せ持つ、理想的な色のルビーが存在します。しかし、この地で産出するすべてのルビーが美しいわけではありません。業界の慣例としてビルマ(BURMA)と表記されることがあります。

・モザンビーク
 2008年頃から市場に登場した、近年上質なルビーを産出する重要な国。
 比較的薄手の原石が多いなか、ミャンマー産に匹敵する美しさのルビーを産出しています。

・タイ
 鉄を多く含み、やや暗く褐色味を帯びる傾向にありますが、鮮やかな色合いのルビーを産出。
 20世紀当時のとても重要な産地で、旧国名にちなんだ「シャムルビー」の名称で広く流通していました。一部にはミャンマー産に匹敵する美しさのルビーが存在します。

※左から順にミャンマー、モザンビーク、タイ

透明度とサイズ

ルビーは内包物を含むのが一般的な宝石です。

そのため、色の次に評価されるのは
・透明感があるか
・光をしっかり通すか
という点が重要になります。

大きなサイズ、または人為的処理がされていない美しいルビーは極めて希少で、
特に2ctを超えるものは一気に価格が跳ね上がります。

糖蜜状組織を宿す無処理のミャンマー産ルビー

このことから内包物はないほうが好ましいとされますが、自然が生み出した天然の証として評価されるケースもあります。

そのなかでも「シルク」と呼ばれる内包物が整うと
スター効果(アステリズム)を生むことがあり、これらはスタールビーという別のカテゴリーとして扱われます。

ルビーに行われている処理

加熱

ルビーに施される代表的な処理は、「加熱処理」です。
これは流通しているルビーの大半(9割以上)に施されていると言われています。

実際の原石は

・紫みを帯びた色調
・褐色や暗さを感じる赤
・色ムラのあるくすんだ結晶

といった、やや不均一で落ち着いた色合いのものが多く見られるため、

加熱処理によって本来持っている発色を引き出す工程が行われます。

ここで重要なのは、すべてのルビーが加熱すれば美しくなるというわけではないという点です。

どれほど高温で処理を行っても、原石のポテンシャルが乏しいものは大きく改善することはありません。

加熱処理とはそれぞれの原石が持つポテンシャルを最大限に引き出すための工程ともいえます。

このような背景から、加熱処理は古くから行われてきた伝統的な処理であり、
現在の宝石市場においても広く受け入れられているものとなっています。

鉛ガラス含侵


「鉛ガラス含浸処理」とは、
大きな亀裂を持つルビーに対して鉛を主成分としたガラスを浸透させる処理です。

先述の加熱処理とは異なり、
外部からガラスを充填することで外観を人工的に補うため、市場として一般的には認められていない処理となります。

ルビーの耐久性と注意

ルビーはモース硬度9と非常に硬く、日常使用に適した宝石です。

しかし、硬さ=割れにくさというわけではなく、
ルビーは内包物を含むことが多いため、その部分を起点に衝撃によって欠けや割れが生じる場合があります。

そのためダイヤモンドと比較すると、
強い衝撃にはやや注意してお使いいただくことをおすすめしております。

また、汚れが目立ってきた場合は、
柔らかい布での拭き取りや、中性洗剤での軽い洗浄が適しています。

まとめ

ルビーは、美しさ、希少性、耐久性を兼ね備えた代表的な貴石です。 特に色の良いルビーは非常に魅力的で、ジュエリーとしての存在感も際立ちます。普段の装いにも、特別な日に身に着ける記念品としてもお勧めです。