パライバトルマリン、その最高の色彩と価値とは。美しさを探るひと時。

産出から30年ほどでこれほど名が広まった宝石は他にないでしょう。

多くの人が魅了される、独特のネオンカラーは世界中で愛されています。

今回はその中でも人気の色合い、透明度による価値と処理について一緒にご覧いただければと思います。

 青ければ良いのか。そうとも言い切れない好みと品質の差。

こちらはとてもブルーの強いパライバトルマリン。

極めて高い透明度から溢れるビビッドなブルーは思わず声が出てしまうほどに美しい。

非加熱でこのような発色、もしくはもっと青みのあるものをエイトリータと呼んでおりましたが、

現在では商社によって非加熱であればエイトリータ、バターリア鉱山産で一定の色合いであればエイトリータとして販売しているところもあります。

このあたりはその他の宝石と同様に、時代の流れによって基準も変わっていくのだと思います。

また、透明度が低いもの、小粒で石に厚みのないものは照り返しが弱いため、当店では基本的には取り扱っておりません。

価格的には安価になるのですが、ジュエリーに仕立てた際に輝かないため、美しく仕上がらないケースが多いのです。

上記はどれも色合いの美しいパライバトルマリンですが厚みが異なります

2,3カラット以上のような大粒は逆に厚みが程よい方が美しいジュエリーに仕上がりやすいのですが、

小粒は厚みがないと輝きに乏しいものが多くなります。

そのため色だけではなく、しっかりと輝きがあるかどうか、美しいと思えるかどうかを一つの目安にするのをお勧めします。

カボションの場合は発色と透明感のバランスを見て好ましいもの

とはいえパライバトルマリンは希少性が高く、好みの色合いが見つかりづらい宝石の筆頭でもありますので、

出会えたタイミングでお好みの品質を選んでいただくのが最良の選択になるかと思います。

また、この色合いが最高の色なのか、というともう少し明るい色が好き、という方や

沈んだ発色に見える、という方もいらっしゃいますので、その他の発色もご覧いただけたらと思います。

 エレクトリックブルー   目に焼き付くネオンカラー

先ほどのブルーに比べ僅かなグリーンを含んだ色合い。多くの方が思い浮かべるネオン、というとこのタイプの発色かと思います。

まさしくエレクトリックブルーです。

先ほどのブルーは奥へ、奥へと吸い込まれるような深みのあるブルーでしたが、こちらは目に飛び込んでくるような発色です。

当店でお買い求めいただいている色合いはこのあたりから下記の発色がボリュームゾーンとなっております。

ぜひネオン感にご注目ください。

 ブルーを基調にグリーンの混ざったネオンカラー

先ほどの発色にさらにグリーンが増した色合い。

水色、と表現しても良いかもしれません。商社によってはプールカラーと呼ぶところもあります。

また、このあたりの色合いは透明度によって価格がかなり異なるケースがありますので、

しっかりと見ることが大切です。

 グリーンとブルー、程よく混ざり合うネオンカラー

こちらはグリーンとブルーが半々、といった印象でしょうか。グリーンが入っていくと明るく、ネオンも深く、強く感じられます。

この発色も大変人気です。

目に優しいと表現したら良いのか、どこか美しさのなかに穏やかさを感じさせる発色で、一度見たら忘れることができません。

 カリブ海を思わせるネオンカラー 

グリーンを基調にブルーを含んだ色合いです。

まるで信号機のように鮮やかなネオンカラーで、思わず目を向けてしまうような発色です。

最初にご紹介した色合いを好む方もいれば、この色を探していた、という方もいらっしゃいます。

特にネオンはグリーンを含んだ方が強いものが多いため、このあたりはお好みと言えるでしょう。

これらのほとんどは過去にご売約となったブラジル産のパライバトルマリンを室内で撮影したものになります。

パライバトルマリンは室内よりも太陽光でさらに鮮やかな発色を見せてくれますので、

実店舗の様々な光源で美しさを比べながら、その華やかさを確かめるのがより良いジュエリー選びの近道です。

 処理について 「加熱」

ここからは処理についてご紹介したいと思います。

ひとつは加熱処理です。

もともとパライバトルマリンは紫色の原石を加熱することで鮮やかなネオンカラーを引き出しています。

しかしながらこれは一般的なエンハンス処理と見なされており、価値に大きな影響を与えるものではありません。

非加熱は希少ですが、加熱処理されたものよりも安価な場合があるのは美しさに欠けるものが多いところがあります。

そのため非加熱で思わず目を吸い込まれてしまうようなものは大変価値がありますが、

加熱、非加熱に関係なく、美しいものは後世へ受け継がれていくでしょう。

 処理について 「含侵処理」

近年鑑別書に記載されることが多くなった処理に、透明材の含侵というものがあります。

この処理は以前より行われていたのですが、

近年は原石の質が下がり顕著に見られるようになったことから記載するようになったとされています。

これは基本的に加熱処理と同等のエンハンスメント(宝石が流通する際に行われる一般的な処理)ではなく、

トリートメント(人為的処理)と見る向きもあるのですが、一方でパライバトルマリンは希少性が価値を担保している面があります。

美しいものは本当に少ないのです。

もちろん含侵されていないもののほうが望ましいのですが、

含侵が行われていても大きなサイズで美しいものは非常に稀であり、高値で取引されている例もありますので

価値を決定的に下げる要因にはなりえないところがあります。

パライバトルマリンの歴史はたったの30年ほどであり、これからの市場によって評価は変わりますが、

美しいものは非常に限られております。

そのため、もし含侵されているものでも大粒で綺麗なものでしたらお買い求めになられるのが良い選択になるかもしれません。

以下は当店が現在仕入れられているサイズになりますが、基本的には0.1カラットサイズ、

大きくても0.3カラットほどになりますので、美しいものはそれだけで需要があります。

これだけ貴重な宝石ですので、含侵処理も一般的と見なされるようになったのでしょう。

 終わりに

パライバトルマリンの価値、取引価格を支えている大部分は「美しさ」です。

非加熱、加熱に関係なく、サイズが大きければ含侵処理されたものでも、美しいものには需要があります。

この他に類を見ないネオンカラーは唯一無二であり、良いものは受け継がれていきますので、

間違いのない品質を探される場合は多くのジュエリーを見比べながら選ばれるのがより良い選択になると思います。

パライバトルマリンをお買い求めになる際の一助になりましたら幸いです。

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